大変、参考になる一冊だった。とにかく内容が濃いので、同じ値段を払うなら、この本を買った方が間違いなくお得だ。
個人的評価は☆☆☆
不動産投資に関する本の多くは、その本の著者が不動産投資を始めたきっかけに始まり、購入に至る経緯、そして、購入後の苦労(空室対策、融資返済など)を乗り切り、今では数棟のオーナーとなって悠々自適に暮らしている等の成功体験が書かれている。この手の本はストーリー性があるので読んでいて面白いし、参考にはなる。しかし、いざ、自分が真似できるかと言うと、著者の環境と自分が置かれている環境の違いから真似することは容易ではない。
しかし、この「アパート事業による資産形成入門」の著者(不動産会社の社長)は、アパート・マンションの一棟物を250棟販売した経験をもとにデータを分析し、アパート事業を進める上での様々なケースを取り上げ、ロジカルに書かれているので自分の投資スタイルを見つけることができるだろう。まさに入門というには最高の本だと思う。
今日は、先日読んだ本「続・アパート経営はするな!それでも始めてしまった人へ」について、感想を書きます。
私の評価は、3段階で★です。
タイトルに惹きつけられ購入しましたが、本の内容は現在の投資家層が求めているものとズレている点が多い気がしました。それは、著者がアパートを買わない方がよいとしているターゲットが、「土地を相続した人がハウスメーカーの営業の言いなり(相続税対策)になって、アパートを建ててしまうケース」「賃貸ニーズの少ない地方で大家業を始める地主」などになっている為、今のサラリーマン大家への警鐘というより、昔ながらの大家さんへの警鐘という感じで、ギャップを感じました。
また、それでもアパート経営を始めてしまった人への救済として、いくつかの対策が記されていましたが、これも、敷金、礼金をゼロにすることや、ペット可物件にする、ローン借換を実行するなど、あまり新しさを感じませんでした。
ただ、参考になったところをあげると・・・
ハウスメーカーのセールスで「当社は30年間の一括借上げ保証システムなので安心です」という営業には要注意ということ。これは、家賃保証ではなく、単に30年間の支払いを約束するものであって、最初に決めた額を30年間に亘り、支払うことを保証している訳ではないということ。確かに、紛らわしい表現だ。