弁護士無料相談会で特別縁故者になる為には、まず、相続財産管理人の選出申立を行う必要があることを知り、早速、私は高齢の父に代わって手続きを方法を調べた。しかし、その書類を提出するには、遺言書の有無、財産一覧を記入する必要があり、亡くなったMさんが遺言書を書いているか、財産がいくらあるのか等ほとんど把握していない父からの情報では記入のしようがなかった。
そこで、私は、家庭裁判所を訪ねて、遺言書があるかわからない、財産がどれだけあるかわからない状況で書類をどのように記入すればよいかアドバイスをもらうことにした。家庭裁判所の人は、やはり、遺言書の有無、概ねの財産を記入しなければ書類不備になってしまうので、記入してほしいとのことだった。
しかし、遺言書、財産を調べるには、Mさんの家に入って調べる必要があるが、そういうことをしてもよいのか質問すると、担当者は、こういうケースって、現在社会では結構あるんですよね、お父様のケースを聞くと何かあった時でも説明ができるから大丈夫だと思いますよ、と答えてくれた。
そして、私は父に、Mさんの家に入って、遺言書、財産を確認しよう、その時一人だと良くないので、俺も一緒に行くよ、と約束した。
父は葬儀を執り行った後、葬儀代の支払い、病院代の支払い、納骨供養、役所への死亡届提出、健康保険返却、年金手帳の返却などを行った。
そして、次に何をするべきか、警察や区役所、いろいろアドバイスを求めたが法定相続人ではないため、適切なアドバイスが得られなく困っていた。
そこで、私はまず、預かっていたMさんの家の鍵を開けて部屋に入って、冷蔵庫内の整理、生ゴミの片づけや郵便物の停止、近所への連絡など金銭に関係ないもので、急を要するものについて対応するように伝え、父はそれに従った。
その後、区が実施している弁護士の無料相談会に父は出席した。そこで、特別縁故者や相続財産管理人の手続きを知った。
私は、宅建の勉強で特別縁故者や相続財産管理人について知っていたが、こういうケースが当てはまるとは、まったく気づかなかった。
Mさんは食事の後、急遽、心不全で亡くなったため、父は警察から事件性がないことを確認するため、いくつくかの質問を受けた。
当然、事件性はないので、すぐに、警察から死体検案書をもらった。そして、その書類を持って、区役所に行き、死亡届を提出した。
その後、父は、葬儀屋へ連絡して、葬儀の手配と同時に、亡くなったMさんの携帯電話のアドレス帳にある全員に電話をして、Mさんが亡くなったことを伝え、葬儀に参列するよう促し、無事、葬儀を執り行った。
私の父は、数年前から近くに住む一人暮らしで高齢の女性Mさん(遠い親戚にあたる)の面倒をよく見ていた。
そのMさんは平成29年、父と二人で食事に行った後、急遽、具合が悪くなり心不全で亡くなった。
Mさんは一人暮らしで高齢なので、誰も身寄りがなく、相続人もいないようだった。
一方、父は法定相続人に当たらないが、私は特別縁故者に当たるのではないかと思い相続問題に取り組んだ。