司法書士の先生に、この手の問題に精通した弁護士を紹介してくれるようお願いしたところ、数日後、会うことになった。
当日は、司法書士の先生が立ち会ってくれて、これまでの状況を事細かく弁護士の先生に説明してくれた。
これまでの経緯等はかなり複雑だったが、さすがに弁護士の先生は頭がよいので、一回の説明で全て理解していた。
そして、「状況はわかりました。このようなことになっては、サラリーマン兼オーナーさんも大変ですね。本件には対処法があると思います。」と言って引き受けてくれた。
この手の事案は相手が相手だけに面倒なため、引き受けてくれるか心配だったが、まずは、一安心した。
司法書士の先生は、管理会社の対応が普通ではないので、弁護士にバトンタッチした方がよいと話をし始めた。
理由は、今回の管理会社の応対から、今後、交渉事が発生する可能性が高いと判断したようだ。
司法書士は弁護士と異なり、私の代理として交渉するには権利に限界があるからということだった。また、管理会社自身が普通ではない会社なので、そういう相手に対して先生自身が精通していないことも話をしてくれた。
私は、先生がそういうので、わかりました。では、そういう相手に精通した弁護士を紹介してくれるようお願いした。
司法書士の先生は、何度も管理会社に電話したものの、担当者不在と返答されてしまうので、急遽、アポなしで管理会社に訪問した。そして、その時の様子を教えてくれた。
・いつも、担当者が不在でわからないと電話で返答していた人物が応対した。
・司法書士の名刺を渡し、依頼者の代理として訪問したことを伝えた。
・家賃が毎月遅延しているため賃貸契約解除したいことを伝えた。
・管理会社として役割を果たしていないため管理業務を解除したい旨を伝えた。
などの話をしたものの、
謝罪の一言もなく、かつ、悪びれる様子も全くないまま、開き直っていたとのことだった。
そして、何を話しても、わからないとの返事が返って来たそうだ。
このやり取りから先生は、かなり厄介な相手なので、別の方法を考えなければならないと感じたという。
司法書士の先生から提示された委任契約を締結後、入居者に対する家賃未払いの請求と、杜撰な管理会社との契約解除を進めてもらった。
数日後、先生から中間報告があった。
先生は、まず、管理会社に電話連絡したが、いつも、賃貸担当者が不在でわからないという返答で話が進まなかった。そして、入居者にも連絡したが、管理会社とグルになっているので、当然、連絡は付かなかった。
このままでは、らちが明かないので、先生はアポなしで、管理会社に訪問した。
すると、いつも、担当者が不在でわからないと電話で返答していた人物が応対したという。
前回は、司法書士の先生が、現在の入居者である法人代表者と直接交渉が出来るよう委任契約を結んだ。
今度は、司法書士の先生が、現在の管理会社の代表者と直接交渉が出来るよう委任契約を結ぶことにした。
これは、現在の入居者である法人代表者と管理会社の代表者が明らかに連携しあってこのような事態を招いているため、もう、管理会社との賃貸管理契約も解除することにした。
これで、また、無駄な出費が発生してしまった。
委任契約書(民事事件用)
依頼者 チドリン を甲とし、受任者司法書士 XXXX を乙として、甲と乙とは次の通り委任契約を締結する。
第1条 甲は乙に対し、次の事件等の処理を委任し、乙はこれを受任する。
1 事件等の表示
XXXX株式会社との建物賃貸借業務委託契約解除
2 委任の範囲 交渉、訴訟または調停
第2条 乙は司法書士法に則り、誠実に委任事務の処理にあたるものとする。
第3条 甲は乙に対し、乙の所属する司法書士会の「司法書士の報酬に関する標準を示す規定」に則り、後記の着手金、報酬金、・実費等(預り金により処理する場合を除く)を次の通り支払うものとする。
① 着手金の金額および支払時期は後記のとおり。
② 日当・訴訟費用など委任事務処理に要する実費等は乙が請求したとき
③ 報酬金は事件等の処理が終了したとき
第4条 甲が着手金または委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、乙は事件等に着手せずまたはその処理を中止することができる。
第5条 委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任または委任事務の継続不能により、中途で終了したときは、乙は甲と協議の上、委任事務処理の程度に応じて受領済みの司法書士報酬の全部もしくは一部を返還し、または司法書士報酬の全部もしくは一部を請求するものとする。
2 前項において、委任契約の終了につき、乙のみに重大な責任があるときは、乙は受領済みの司法書士報酬の全部を返還しなければならない。ただし、司法書士が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、乙は甲と協議の上、その全部または一部を返還しないことができる。
3 第1項において、委任契約の終了につき、乙に責任がないにもかかわらず甲が乙の同意なく委任事務を終了させたとき、甲が故意または重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他甲に重大な責任があるときは、乙は司法書士報酬の全部を請求することができる。但し、司法書士が委任事務の重大な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することができない。
第6条 甲が第3条により乙に支払うべき金員を支払わないときは、乙は甲に対する金銭債務(保証金、相手方より収受した金員等)と相殺しまたは事件等に関して保管中の書類その他のものを甲に引き渡さないでおくことができる。
記
1 着手金と報酬金について
1) 着手金とは、司法書士が依頼者の依頼に応じて事件処理に着手するために必要な金員で、本契約書第5条のような場合を除いて、結果のいかんにかかわらず返還されません。
2) 報酬金とは、訴えて得た利益や訴えられた金額と実際に支払うことになった額との差額に基づいて算定するものです。これは、着手金とは別のもので事件終了後に頂きます。
2 着手金の額
①交渉の場合 金50,000円(別途消費税 金4,000円)
②交渉不調後の訴訟または調停の場合 なし
3 着手金の支払時期
平成27年X月XX日まで。
4 報酬の金額
①交渉の場合 金100,000円(別途消費税 金8,000円)
②交渉不調後の訴訟または調停の場合 裁判所の1期日毎 金70,000円
(別途消費税 金5,600円)
但し25万円を上限
2015年X月X日
依頼者(甲)
住 所
氏 名
受任司法書士(乙) XXXXXXXXXXXXXXX
司法書士 XXXXXXXX
お振込み先
XXX銀行 普通預金 XXXXX 口座名義 XXXXXXX