不動産営業マンと待ち合わせをし、政策金融公庫を訪問した。事前に言われた必要書類は
・購入予定物件の書類一式
・過去2年分の確定申告書類
・ローン相談表
・自己紹介票
・身分証明書
だった。
不動産営業マンが公庫の融資担当者と、事前に話をしてくれていたので、話は、スムーズに進んだ。そして、融資担当者から、「チドリンさん。自己資金が少ないので、頭金を抑えたいとの話を不動産営業マンから伺っています。色々、考えたのですが、チドリンさんが所有している台東区の区分マンションを共同担保に入れていただければ、フルローンが可能になります。ただし、一時的には頭金が必要になりますが如何でしょうか?」
「はい、台東区のワンルームを共担に入れることは構いませんので、詳しく教えてください」
「今回の墨田区のAP物件は、必要経費を除き、物件価格で2,950万円です。公庫としては、まず、2,500万円をお貸ししますので、不足分の450万円をチドリンさんの方で工面してもらい、物件を購入してください。その後、公庫が台東区の区分マンションを担保にし、追加で450万円をお貸しするという方法です。この場合、固定金利2.2%、融資期間は15年になります。」
私は、公庫の融資担当者から、こんな素晴らしい提案をされるとは思っていなかったので、すぐに、その方法で進めることを合意し、申込書類に必要事項を記入した。融資担当者は、多分、融資は大丈夫だと思うが、正式回答までには1週間くらい待つよう言っていた。結果が待ち遠しい。
仲介営業マンから、融資の打診状況について、連絡が来た。
三井住友トラストは、融資条件が緩いので、予想通り、変動金利3.9%、融資期間は23年で、一次回答として融資はOKだった。
一方、政策金融公庫も、固定2%台、融資期間は15年で、こちらも一次回答として融資OKだった。
私は、政策金融公庫からの借入は難しいと思っていたが、仲介営業マン曰く、当社は、何度も公庫と取引しているが、融資が下りるかは、支店による差、担当者による差があるので、物件ごとに、支店と担当者を選択して仕事をうまく進めているとのことだった。
物件を買いたい人がいるのに、融資失敗しては、営業成績に大きく影響するので、当社は、融資の候補先が他の不動産会社より多くあることを自負していた。
そして、私は、返済期間が短かいのでキャッシュフローが出にくいが、日本政策金融公庫をメインに考えたいと伝え、面談等の調整をお願いした。
仲介業者の営業マンより、墨田区APの売買契約は早急に行った方がよいとのアドバイスを受け、必要書類と手付金100万円を持参して、物元の不動産会社に訪問した。
すると、そこには、売主であるオーナーがいた。挨拶を済ませた後、物元の不動産会社の社長が契約書全文を読んでくれた。内容に大きな問題はないが、売主の事由、買主の事由で売買が成立しない以下の場合は、違約金を支払わず、単なる白紙とする特約になっていた。
・売主側の事由は、一部、私道の未登記部分があるので、これを、決済までに登記完了させること
・買主側の事由は、ローン条項特約(借入先:日本政策金融公庫)
予め、契約書のローン条項に日本政策金融公庫と記してあったのは、仲介業者の営業マンが物元の不動産に伝えたことだったので、よほど、融資に自信があると思った。
両者合意して、契約書に捺印し、契約完了となった。
墨田区APの件について、 仲介不動産の営業マンから連絡があった。
その内容は、物件価格を50万円アップして、物元の不動産会社と調整したものの、何となく、物元が他の要求を言い出してくるような気がするので、早急に契約しましょうというものだった。
私は、単に営業マンが、早く契約に漕ぎつけたいのかと思ったが、過去、別物件で経験した売り止めなどになると困るので、ローン特約を付け、早期契約することに合意し、日程調整をお願いした。
数時間後、契約締結の日時が決まったと連絡があった。
仲介不動産会社の営業マンから、買付申込書とローン相談表がメールで送られてきた。そして、必要事項を記入し、営業マンにメール返信した。
翌日、営業マンから、思いもよらない連絡があった。
内容は、物元の不動産会社には、昨日時点で電話で買付申込の意思を伝えたが、本日、書面で買付申込をしたところ、なぜか、売買を拒んでいるとのことだった。このような状況になって申し訳ないが、すぐに、事実確認のため、物元に行ってくるとの連絡だった。
数時間後、再び、営業マンから連絡があった。
物元が売却を拒んでいたのは、何と、昨日、物元側でAPの購入希望者が見付かったからだった。そこで、話し合いの末、物件価格を50万円アップして、2,950万円で手を打ってもらったとのことだった。
何だか、腑に落ちない内容だが、最近は、売り手有利なので、2,950万円になったことを受け入れざるを得なかった。